ご存知ですか?ワクチン接種における救済制度に関する重要な変更

2024/10/24 腸活コラム
新型コロナワクチン 救済制度 変更

2024年10月から「65歳以上の高齢者」並びに「60〜64歳の重症化リスクが高い方」を対象に新型(武漢型)コロナワクチンの定期接種が施行されています。このワクチン接種の実施において、特に新型コロナのワクチンについてはかなり大きな変更があったことをご存知でしょうか?今回は、それについて、簡単にまとめてみたいと思います。


「令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種について」


新型コロナワクチンの接種に関しては、「令和6年度以降の新型コロナワク チンの接種について」(令和5年 11 月 22 日付け厚生労働省健康・生活衛生局感染症 対策部予防接種課事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/content/001176048.pdf
等で既に通知があったのですが、これまでの特例臨時接種を令和5年度(2023年度)末、つまり、2024年3月31日で終了となりました。令和6年度以降2024年4月以降)は、個人の重症化予防により重症者を減らす ことを目的として、新型コロナウイルス感染症を予防接種法のB類疾病に位置付けられた上で、定期接種の対象者を定め、同法に基づく定期接種として実施することとなりました。( 一方で、定期接種の対象者以外については、任意接種として接種の機会を得ることが 可能となっています。)
これまでは、ワクチンは「特例臨時接種」として実施され、予防接種健康被害救済制度(A類疾病)に基づく救済措置が適用されてきたのですが、2024年4月以降の定期予防接種については、ワクチン接種が「B類疾病」に位置付けられることになったため、ワクチン接種に伴う健康被害救済制度に関する重要な変更が行われます。

 

予防接種救済制度について

 

通常の予防接種は市町村が実施主体となっていますが、ワクチン接種による健康被害が生じた場合、予防接種法に基づき、はその被害に遭われた方のサポートのために、「予防接種健康被害救済制度」という制度を設けています。この制度では「厳密な因果関係」までは明確に分からなくとも、「ワクチンによって引き起こされたと考えられる場合は広く救済していく」という形を取っています。この救済制度の認定に際しては、ワクチン後に起きた死亡を含めた後遺症とワクチン接種との関係に「医学的な合理性を有すること」「時間的密接性があること」「他の原因によるものと考える合理性がないこと」が必要となりますので、つまりは基本的には、この認定を受けたということは、「基本的にはワクチンによって引き起こされた」と国に認められたことになります。


 

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B類疾病への変更とその影響

 

B類疾病に分類されることで、個人の重症化予防を目的とした定期接種の一環となりますが、これに伴い、障害年金や死亡補償の金額も減額されることになりました。A類疾病(臨時接種)時には、障害年金や死亡補償などの給付が高額で、国による十分な補償が提供されていましたが、B類疾病への変更後は、補償額がかなり下がります。
具体的には障害年金の大幅な減額があります。例えば、1級障害年金が従来の5,175,600円から2,875,200円に減額されます。また、ワクチン後に死亡され、その死亡とワクチン接種との関係性が国から認定された場合、補償対象となった場合に支払われる死亡補償の一時金については、これまでの制度では、死亡一時金として45,300, 000円だったのですが、2024年10月以降の接種では、その亡くなられた方が家庭における生計維持者である場合 は遺族年金として年額2,514,000円10年間を限度(10年間だと、25,140,000円)と大幅に減額されます。更に、生計維持者ではない場合は、遺族一時金として7,542,000円のみ支給されることとなりました。以上が定期予防接種開始に当たって被害者救済制度の大きな変更点となります。

 

任意接種の場合の補償

 

2024年度以降、定期接種の対象外である人々や、秋冬以外の時期に希望して任意で接種する場合は、予防接種健康被害救済制度ではなく、医薬品副作用被害救済制度の対象となります。請求対象もこれまでは、市町村であり、これは、今回からの定期予防接種対象の方も同様ですが、定期接種対象外の方が任意で予防接種を受けて健康上の問題が生じた場合は、請求対象は市町村ではなく、(独)医薬品医療機器総合機構 (PMDA)となります。この制度の下では、補償額がさらに低くなる傾向があり、補償の範囲も異なります。(現時点では、B類疾病における定期予防接種の場合とほぼ同等です。)このような変更により、ワクチン接種による被害者救済制度は従来よりも複雑化し、対象者や接種のタイミングによって適用される制度が異なるため、被接種者は注意が必要となります。

 

ドクターJINのつぶやき

 

新型コロナに対して、今回の定期予防接種から、健康被害が生じた際の救済制度が変わることをお話ししました。
定期予防接種対象の方は、A類疾病に基づく救済措置から、B類疾病に基づく救済措置に変更となりました。
定期予防接種の対象外の場合は、予防接種健康被害救済制度ではなく、医薬品副作用被害救済制度の対象となりました。
このため、新型コロナ予防接種において、健康被害が生じた場合は、健康被害が生じた場合の補償額が大幅にダウンとなりました。
ちなみに、毎年冬季に行われるインフルエンザもB類疾病であり、現在は、A類疾病の例としては、ジフテリア、百日咳、破傷風、麻しん、風しん、日本脳炎、結核、ヒブ(インフルエンザ菌b型)感染症、小児の肺炎球菌感染症、水痘、ヒトパピローマウイルス感染症、B型肝炎などがあります。

私、ドクターJINは、今回から新型コロナ予防接種の対象が特に重症化しやすい高齢者などを中心にしたということは仕方ないとは考えています。しかしながら、その予防接種自体が明らかに副反応が強いということが分かっているのに、問題が起きた際の補償が減らされてしまうのは納得がいきません。

あなたも新型コロナワクチンを含めた予防接種後に生じる可能性のある後遺症に対しての補償について、もう一度考えてみて下さいね。